名古屋高等裁判所 平成5年(行コ)27号 判決
愛知県日進市浅田町平子四-三五四
(納税地 名古屋市中村区太閤四丁目一〇番八号)
控訴人
夏目正
右訴訟代理人弁護士
竹下重人
同
内藤昌裕
名古屋市中村区太閤三丁目四番一号
被控訴人
名古屋中村税務署長 中嶋一夫
右指定代理人
加藤裕
同
佐々木博美
同
井口眞治
同
木村晃英
主文
一 本件控訴を棄却する
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一控訴の趣旨
一 原判決を取り消す。
二 控訴人の昭和六三年分の所得税につき、被控訴人が平成元年一二月二七日付でした更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。
三 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
第二事案の概要
争いのない事実及び争点は、次のとおり加除・訂正するほかは、原判決「事実及び理由」欄「第二事案の概要」「一争いのない事実」及び「二争点」のとおりであるから、これを引用する。
1 原判決三ページ四行目「原告は、」の次に「不動産の売買及び仲介を目的とする」を加える。
2 同五ページ五行目「原告」の前に「昭和六二年五月頃、控訴人は被控訴人から所得税の税務調査を受けたが、その際、被控訴人の調査担当職員から、控訴人所有の土地のうち継続して使用している土地は事業用資産と認められ、本件土地もこれに該当し、その収入は不動産所得の収入金額であるとの説明を受け、控訴人の経理では棚卸資産と事業用固定資産との区分が不明確であるとの指摘を受けたので、従前棚卸資産に区分けしていた本件土地を事業用固定資産に振り替えた。さらに、」を加える。
3 同七行目「右特例の適用がある」から八行目「に基づき」までを「右特例の適用があり、譲渡代金の二〇パーセントについてだけ譲渡所得の申告をすればよいという説明を受けたので、右説明に基づき、昭和六三年一一月三〇日に財団法人郵政互助会(以下「郵政互助会」という。)に」と改める。
4 同七ページ二行目の次に改行して「次のとおり、本件土地及び本件物件は棚卸資産であり、それによる所得は控訴人の事業所得である。」を加える。
5 同一〇行目の次に改行して「(4)昭和六二年五月頃及び翌六三年九月頃に被控訴人の担当職員が控訴人に対し、控訴人主張のような説明をしたことはなく、本件更正処分は信義則に反しない。」を加える。
第三争点に対する判断
当裁判所も控訴人の請求は理由がないものと判断するが、その理由は、次のとおり加除・訂正するほかは、原判決「事実及び理由」欄「第三争点に対する判断」の「一」ないし「三」記載のとおりであるから、これを引用する。
1 原判決九ページ三行目「(一)証拠(」の次に「甲五の二、」を加える。
2 同九行目「本件土地の購入に際し、」の次に「右同日、」を加える。
3 同一二ページ五行目「左右するものではない」の次に「(なお、控訴人は、本件土地について控訴人の営業用事務所又は賃貸ビルを建設するための手続を進行させなかったのは当時資産繰りが苦しかったためであると主張し、控訴人本人尋問において同旨の供述をするが、控訴人は、一方、当時多額の預金を有しており借入れを必要としなかったとも主張しており(原審の平成四年一一月二四日付準備書面第二項)、甲第九号証の二によって相当額の預金を有していたことが認められる。)」を加える。
4 同一〇行目「認めることはできない」の次に「(控訴人は、右変更は昭和六二年五月頃の被控訴人の担当者からの説明に基づくものである旨主張し、甲第一一号証、乙第八号証、証人関庄平の証言及び控訴人本人尋問の結果中には、それまで控訴人の確定申告書を作成した税理士事務所の職員関庄平(以下「関」という。)に棚卸資産と事業用固定資産の区別の知識がなかったため、控訴人のいうまま本件土地を棚卸資産に計上したが、右担当者から説明を受けて不動産業者にも事業用固定資産があることを知り、右変更をしたとの部分があるけれども、右関庄平の証言によれば、関は昭和四五年二月頃から税理士事務所に勤務し、昭和四七年頃から昭和六三年六月頃まで控訴人の会計及び税務事務を担当して控訴人の業務にある程度精通していたことが認められるので、棚卸資産と事業固定資産の区別の知識を有していたと推認できるし、関自身も両者のおおまかな違いは認識していた旨証言するところであるから、前記各証拠を採用することはできない。)」を加える。
5 同一二行目「仮に」の前に「控訴人は、被控訴人の担当者が、昭和六二年五月頃及び翌六三年九月頃、控訴人に対し本件土地は事業用固定資産であり、そのように振り替えれば事業用固定資産と認められると説明したと主張し、証人伊藤善吉の証言及び控訴人本人尋問の結果中には右主張に沿う部分があるが、右担当者である村田善清の供述調書(乙第九号証)、松本憲靖の聴取書(乙第二九号証)及び右両名の証言はこれを否定しており、控訴人の主張に沿う右各証拠は必ずしも信用できないばかりでなく、」を加える。
6 同一三ページ一〇行目「証拠(」の次に「甲五の一、」を、一三行目「昭和六〇年一〇月三〇日、」の次に「富田郁也から」を加える。
7 同一四ページ七行目「同年一〇月三一日頃」を「同年九月三〇日」と訂正する。
8 同一七ページ一〇行目「駐車場として」の次に「宮浦英に」を加える。
9 同一九ページ五行目「相当である」の次に「(甲第六号証(中京銀行作成の本件物件C取得に係るチェックリスト)には、購入目的は自社ビル建築用地で売却予定はない旨の記載があるが、甲第六号証は融資実行から一年経過後の昭和六二年一二月二九日に大蔵省の行政指導によって金融機関が投機的土地取引の排除のため作成したものであり、右記載内容を裏付ける事実はないし、前記のとおり、控訴人に自社ビル建築の具体的計画があったことを示す証拠はなく、右甲第六号証によっては控訴人主張の事実を認めることができない。)」を加える。
10 同一一行目「昭和六一年一〇月一三日、」の次に「一光株式会社から」を加える。
11 同二〇ページ二行目「その返済期限の」を「その返済期限を平成元年一二月二〇日と定めて」と改める。
12 同六行目「昭和六二年四月二四日、」の次に「富田修及び杉戸利子から」を加える。
13 同一〇行目「平成元年一二月二二日に」の次に「年利・七パーセントとして」を加える。
14 同二一ページ四行目「物件e、fを、」の次に「株式会社朝日住建物に」を加える。
第四結論
したがって、控訴人の本訴請求を棄却した原判決は相当であり、控訴人の本件控訴は理由がないので、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 稲守孝夫 裁判官 小松峻 裁判官 松永眞明)